冬菜かしこの「のんびり ゆっくり 親孝行」の日々

70歳代後半の親と50歳代前半の娘のゆるい介護のような親孝行の記録です

義両親の老人ホーム訪問

 

こんにちは、冬菜かしこです。

今日はあたたかい良く晴れた一日です。

 

今年の大型連休は、義両親の老人ホームに行ってきました。

隣の県なので、高速を使っていこうと思っていたのですが、

渋滞15KMの表示を見て、ひるんでしまい、

結局すぐに高速を降りて、下道を通っていくことになりました。

 

それでも下道もなかなか思うようには走れず、

老人ホームに着いたのは、予約時刻の20分ほど前でした。

車で10分ほど時間をつぶしたのち、

受付に行き義両親を呼んできていただきました。

 

疫病が流行っているため、玄関先に設置された机と椅子で、

アクリル越しの訪問です。

それも10分ほどで、3回ワクチンを接種している主人だけが

訪問を許されているのです。

2回しかワクチン接種していない私と、

なにも接種していない小学生の二人娘は、

さらに後ろの席から、ようやく顔をだしているだけという状況でした。

 

仕方なく後ろから、義両親と主人の会話を聞くことにしましたが、

小5の長女はまだ椅子に座っているものの、

小3の次女はすぐに飽きて、職員さんについて話しかける始末。

やれやれと思い

「このために5時間かけて来たのっ!座っていなさいっ!」

と注意すると、そばにいた職員さんたちが

「5時間、、そんなに遠くから」

と驚いておられました。

そのためかどうか、その後、少し長めの面会時間を

許してくれていたように思います。

 

主人の話が一通り済んだ後、

義両親に二人娘を挨拶させました。

義母は「早く家に帰りたい」というので、

「そうですよね、分かります」とこたえました。

実際には、私は、老人ホームに入居したことはなく、

義母の気持ちを完全に分かることはありません。

それでも、私はその時に、「分かります」と言ってあげたかったのです。

義母の気持ちを受け止めてあげたかったのです。

 

職員さんには、どうしても、そういう言葉は言いにくいし、

言ったとしても、やんわりと交わされるだろうと思ったのです。

私一人ぐらいは、「分かりますよ、お辛いですよね」

と、気持ちを汲んであげたかったのです。

100パーセント、本当の気持ちではなかったとしても。

それは、1ミリの悪意もない、私の本当の気持の言葉だったのです。

「嘘も方便」とは、よく言ったものだなあと、

今回は改めて思いました。

 

早く帰りたいと言う義母でしたが、

「あなたたちが来るって、今朝、急に言われたから、

今すっぴんなのよー」とはきはきと愚痴っている様子を見ていたら、

なんだかんだで、元気そうだな、と思いました。

お化粧のことを気にするぐらい、心の余裕があるのだと思ったのです。

本当に心身が疲弊していたら、それどころではないですから。

 

「栄養のあるものを食べられているから、肌つやがいいですよ。

すっぴんでも、大丈夫です」と声をかけたのですが、

義母はどうやら不服の様でした。

でもそれは、私にはとてもかわいらしく、

職員さんに優しくしてもらっているのだろうと、

なんとなく安心したのです。

 

 

一方、義父の方はと言うと、

前回の無言から一転、何度か自分からお話をしてくれました。

とはいえ、口から出るのは暗い話題と愚痴ばかりでした。

義母が「この人、車いすがないと動けないから」

と言っていたので、かなり不自由な生活を強いられているようです。

 

だから私は思い切って義父に話しかけました。

「実家の母は、すっかり物忘れが激しくなった父の世話をしながら、

なんとかやっています。

母は足が悪くなったので、最近は、食べるのが楽しみみたいで、

美味しいものを食べたら、一日頑張れる、っていっています」

それでも義父は、

「私は糖尿病だから、好きなものもたくさんは食べられないのですよ」

と言って、悲観します。

だから私が、

「私の母も糖尿病が少しあるので、たくさんは食べられません。

昔は板チョコ一枚ぺろりと食べられていたのが、

今は一かけらか、二かけらぐらいです。

でも、それが美味しいみたいです。

ひとかけらのチョコが美味しくて、これで一日頑張れると、言っています」

と伝えると、義父の態度も少し変わってきました。

 

「私はもう遠くへは行けない。おたくのお母さんは、遠くへは行けないのかね?」

と義父が聞くので、

「はい。私の母は足が悪くなったので、もう遠くに旅行には行けません。

孫たちと近くのスーパーに行っても、自分は椅子に座って、

孫がゲームしたり、お菓子を買ったりするのを待っています。

それでも、美味しいものを少し食べると、

これで一日頑張れる、と思うそうです」

と伝えると、

「おたくとうちとは、男女逆だけど、同じような感じだね」

と言って、私の両親のことをねぎらってくれました。

 

義父は足が悪く、糖尿病で食事制限があり、

私の母も同じような状態です。

義母は体は元気だけれど、認知症が始まっていて、

私の父も同じような状態です。

程度の差こそあれ、どちらも色々と不自由を抱えて暮らしています。

 

義父はそこまで理解してようやく、

「自分だけではない」と思ったらしく、

少し落ち着きを取り戻したようでした。

 

最後に義母に、

「何か欲しいものがあったら、○○さん(義妹)にお伝えください。

私が買ってきますから」

と伝えると、なんとなく嬉しそうにしていたように見えました。

そして、その様子を見ていた義父は、

「なに?なに?」

と話を確認していました。

 

「次はいつ来るの?早めに来てね」

と義母が言うので、

「6月は祝日がないから。

次は夏休みかな。早ければ7月。それが無理なら8月かな」

と伝えました。

 

二人娘の写真と、ホームセンターで買った、母の日の寄せ植えの鉢とを渡し、

「お父さん、本当に肌つやがいいね」と大きく、聞こえるように言い、

ドアを開けて、老人ホームを後にしました。

 

「実家の庭の雑草を、草刈しておきます」

と義父に伝えてきたので、

家に帰ると早速、鎌で草刈りをしました。

1時間40分ほどかけて、裏庭のうっそうとした雑草を、

一通り刈り取りました。

裏庭の大きなつつじの木が、

青空にきれいな紅桃色の花を満開に咲かせていました。

 

 

私一人ごときでは、

何が出来るわけでもない。

でも、何も出来ないわけではない。

自分に出来ることは、ただ、

義両親が100歳まで長生きしてくれるように祈るだけ。

ただそれだけなのです。

そして、そのために良いと思えることは、

出来るだけやっていきたいと思っているのです。

 

誰もいない主人の実家に泊まることになって、

今回で2回目です。

いつまでここに泊まれるのか分かりませんが、

義両親が元気なうちは、出来るだけここに泊まり、

老人ホームに訪問に行きたいと思っています。

 

「命があるということは、何か役目があるはずなので」と。

最近、つくづく思うようになりました。

ならば、それを全うし、

また、全うする人のお手伝いをしたいと思っているのです。

義両親が老人ホームに入ってもなお、

肌つや良く過ごされていることは、

何かしらの役目があるのではないかとも、思っていたりするのです。

 

お義父さん、お義母さん、

ふつつかな嫁ですが。

これからもどうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 

明日も素晴らしい一日になりますように☆